社長と遊ぶ
社長と社員が一緒になって、
自分たちがつくったゲームで遊んでみる会。
開発中とは違う気分でプレイしたら、
普段では聞けない話が聞けました。
※このインタビュー内容は、採用活動の一環として、
当社内に限定した内容で構成されています。
scene 01数年ぶりにプレイして、
徐々に記憶が蘇る。
- うわ、懐かしい。久々だなぁ。
- 何年ぶりだ?なかなかないんじゃないの、リリースしてから改まってみんなでゲームやるって。
- デバッグで隅々までやり切りますからね。
- あ、これ、僕のこだわりのキャラクターです。「パイナップル食べる?食べる?あげなーい」って動きをさせたかった(笑)。一個一個可愛くしたくなっちゃって、このボードは結構難航しましたよ。
- こだわるよねー。こうやって見ると今は質感もだいぶ変わったね。
- さすがに変わりますね。使うツールも変わってるのでクオリティも上がっていますし、つくりやすくもなってます。
- 昔はね、仕様書がゆるかったんだよ。プログラマーの横でしゃべるだけのこともあったくらい。今じゃ考えられないけどね。
- (苦笑)それは、困りますね。仕様書がないとしょっちゅう変わっちゃう。
- サウンドなんか、今は構想から共有できていますけど、以前は最後の最後に聞かされてましたよ。分かりますけどね、ものがないと音はつけにくいですからね。
- 音は大事ですよね。デバッグってこの状態でスタートするじゃないですか…
(ゲームの音を消してみる)
…全然違いますよね。やりにくいし、盛り上がらない。
…あ、このゲーム、デバッグの時に筋肉痛にならなかったですか?捻ったりひっくり返したりコントローラーの使い方が独特。
- コントローラーを何に見立てるかはキモだよね。パーティゲームは特に、コントローラーの使い方も本当に自由に考えを拡げている。
scene 02ゲーム業界を選んだ理由に、
世代間ギャップが垣間見える。
- 僕は学生時代、まさか自分がゲームをつくると思っていなかったですが、子どもの頃は、新しいタイトルが出るたびにマリオパーティを買ってもらっていました。先輩たちはどうでしたか?
- ファミコン(ファミリー コンピューター™)が発売されたのは、私が小学校5年生の頃でしたかね。スーパーファミコン®のときにはもう開発側にいましたね。
- テレビゲームはやってたけど、俺は仕事の中身より、この業界が自由に見えたからこの仕事に就いたところがあるんだよね。ネクタイせずに働けそうだった(笑)。まぁ、それはさておき、学生時代はテレビゲーム以上に、リアルなラグビーや格闘技に熱中してたんだよ。こういうタイプは、業界では珍しかったかもしれない。逆にそこが生きる道だと思ってやってきたところはあるね。過去につくったゲームも、サッカーとか野球とかプロレスが多かった。
あ、野球やってたよね?
- やってました。でも、僕は、幼稚園の頃には家にNINTENDO®64があって、ゲームづくりやプログラマーを夢見ている人も周りにいた世代です。小学6年生の頃にはゲームをつくりたいと思っていて、プログラムの勉強ができる学校に焦点を合わせて中学から勉強していました。研究が楽しくなって大学院まで行っちゃったんですけど…。
- 実際やってみて、夢は叶っているんだろうね?
- (笑)もちろんです!
scene 03ゲーム業界の変化について聞くうち、つくり手の熱さがあふれてきた。
- 僕ら3Dデザインは、タイトルの次回作だとか、ハードが変わるごとにクオリティアップしてきました。世界観は2Dのデザイナーがつくってくれるんですが、そこにどうリアリティや質感を加えていくか、もっと精細にできないかとか。
特に「水」なんかは人によってつくり方が全然違ってましたね。今は効率化されて、クオリティも一定のレベル以上に均質化してます。
- 昔は何となく土、何となく草を描いて3Dの人に任せていましたけれど、質感まで細かく指定するように変わってきて、調べることが増えました。手間は増えましたが、以前より思った通りのものができるようになったと言えるかも。スペックが上がったので、例えばキャラクターを10体置きたいのに3体で諦める、ということがなくなり、想像していた世界を再現できるようになりました。
- クオリティが高まっている分、全てにマシンパワーが必要になってしまうのは良くないので、僕らはどれだけキレイなものを最適化して表示するかを考えます。新しい情報を集めて、最適化したプログラムを組み込むように努力していますね。
- ゲームの立ち位置も、以前とは随分変わりましたよね。
- そうかもしれないね。ゲームで遊んだ子どもたちが大人になって、ゲームが否定されなくなってきた。
- 自分も遊ぶので、子どもに否定的なことは言えないです(笑)。
ただ、人を撃つようなゲームは避けて、子どもが起きている間はマリオパーティをやります。
- あー、それはずっと意識していることだね。家族みんなが安心して遊べる。何なら子どもが勝つ。それも大人が忖度するんじゃなくて、思い切り楽しく遊んで子どもが勝てるようにしたいと思ってきた。改まってみんなの前で言ったことはないかも知れないけど。
- でも、それはたぶん、社員みんなが思ってますよね。自分も1プレイヤーでしたし、会社説明会なんかで聞いて、共感した上で入社しているので。
- 小さい頃から、大人も子供も混ざって遊ぶのが自然だったから、そのイメージが自分のベースにもあるかもしれないですね。
- 自分は、いかにキャラクターを活かしてプレイヤーに楽しんでもらうか、キャラクターに対するそういった責任が重大だと感じています。
- それはサウンドでもあるね。叩く動作に付けるのが殺伐とした音になっちゃいけないから「♪ポヨン」みたいな音にデフォルメしたり、賑やかさを演出するようにしたりはするかな。
- 最近はオンラインでゲームにつながることが増えましたが、オンラインに慣れていないプレイヤーには説明が難しい場面もあるので、僕はいかに分かりやすく伝えるかということを意識しています。
- アート班(2Dアートデザイナー/美術設定担当)としては、プランナーのゲーム企画をデザインでもっと面白く、わかりやすくしたいと思ってるんです。自分が間違えた設定をしてしまうと、後の作業をする人がどんなに良い3Dをつくっても、どんなにいい音楽を当てても、それ以上に良くはならなくなってしまう。企画を限界まで面白く、わかりやすく膨らませる設定をして、3Dデザイナーに渡せるように頑張っています。
設定は、美術的にキレイならいいというわけではなく、細かく描き込みすぎるとゴチャゴチャして逆に分かりにくくなる。パッと見てわかるビジュアルが一番良いと思ってつくっています。
- 老若男女、世界中の方が遊ぶゲームですもんね。
プログラマーの場合、ゲームを最初に遊ぶのが自分なんです。そのファーストインプレッションを、プランナーやデザイナーにも共有して、より良いものにしていこうとは考えています。
- なんか、嬉しいよね、みんなからそういう言葉が聞けて。
scene 04ゲームづくりの楽しさについても聞いてみた。
- つくっていて何が楽しいか…。
ゲームの音って、直接人に働きかけるんですよね。音楽って人の心を揺さぶるものだと思っていて、音とゲームの画像がハマった時の喜びが大きいので、それが面白くてずっとやってます。
- お化け屋敷をテーマにしたボードなんかは音楽がすごく重要。遊ぶ時の気持ちが全然違うよね。
古いゲームのリメイク版をつくったこともあったよね。
- つくりましたね。当時の手触り感を、現代のクオリティで再現した。
- メニューで、当時のBGMに切り替えられるようにしたんですよね。
- あれ、最高でした!自分は、当時のことを思い出して全部古い方で遊びました。新しくつくったのに申し訳ないんですけど…(笑)
- いやいや、当時開発に携わった人間としてはそれも嬉しい。
- 昔から知っているキャラクターが動く世界を考えるのは楽しいです。自分が頑張れば頑張るほどキャラクターの可愛さも際立つ気がする。
- そのイメージをカタチにすることも楽しいですね。プランナーや2Dデザイナーが想像していた以上のものをつくりたいと思うし、「こういうのが欲しいんでしょ?」と当てにいくような気持ちもあります。3Dデザイン次第で動きの印象も変わってくるじゃないですか。
- 思い描いた世界観やキャラクターと、3Dや動きがピタッとハマった時は「やったぜ」と思いますね。それと、エゴサーチして「めっちゃ可愛い」なんて言われてるのを見ると、ほんとに嬉しい!無駄かもしれないと思いながらもこだわってつくった部分があるから、「あぁ、ちゃんと伝わったんだな」って思います。
- 正解がないので、出来上がった瞬間はまだ不安な自分もいるんですよね。動画サイトで楽しく遊んでいる様子を見ると、僕も安心します。ちょっと前までプレイヤーの反応をそんなにダイレクトに見られる機会がなかったですからね。
- 分かります。それはかなり大きい変化でした。
- 俺の立場からすると、若い人たちに「もうちょっとやらせてくれ」なんて言われるのが嬉しいかな。残業してほしいって意味じゃなくてね、ゲームを良くしたくて「もうちょっとやりたい」って言うクリエイター魂みたいなものを見ると、頼もしいんですよね。
- そのクリエイター魂を受け継いで、僕も頑張っていきたいと思います。入社する前から、Nintendo Cubeはものづくりへのこだわりが見える会社だと感じていましたから!
「クリエイター魂を持った集団であることが、たぶんうちの会社の大事な部分で、
チャレンジできる場であり続ける、チャンスをつくることが私の仕事かなと思います」
と、社長は締めくくりました。
Nintendo Cubeは、つくることを楽しみ続けてきた会社。その空気を感じていただけたでしょうか。